外構とエクステリア

外構とエクステリアは同じもの?

エクステリアは最近の言葉で、何年か前までは日本語で外構工事と表現されていたものがオシャレにエクステリアと呼ばれるようになりました。 外構とは読んで字の如く生垣やフェンスなど住宅の外に構える、敷地を囲うように設置されるもので、 境界線を示したり防犯目的でお庭と道路の境目付近に我が家を守るように設置されるケースが大半でした。 住宅とのバランスや外観はそれほど求められず、敷地内を守ったり覗き見されにくくして泥棒避けをすることが主な役割だったので、 どんな建物だろうと建築後に周囲にブロックを積み上げればそれで外構工事にもなっていました。 注文住宅にマッチするオシャレな物体であるかは問われず、建物を囲っていればそれはもう立派な外構なのです。 ですが近頃はこの外構部分に拘る人も増え、建造物と相性の良い形状とカラーにしたい、機能性だけでなくオブジェとしての役割も与えたいと考える 人達が外構のことをより優雅でエレガントに、エクステリアと呼ぶようになたのです。 ですが機能性よりもデザインを優先させたところで外に構えていることに変わりはありませんし、 従来どおり外構と呼んでもなんの違和感もありません。 厳密に最新型の定義ではどうなるのかわかりませんが、少なくとも外構工事を請負ってくれる業者と打ち合わせをする場合では、 どちらの言葉を使っても通じますしこちらの意図することを伝えることができるでしょう。

外構の言葉で打ち合わせをしてもデザインに力を入れたがってる内容の話なら 「このお客さんは建造物とガーデンの一体感を生み出すような外構を所望しているのか、 ならば灰色のブロックを重ねて塀を作る以上の作業になりそうだ。こいつは大きな仕事になりそうだぜ」と思ってくれるでしょう。 なのでエクステリアでも外構でも同じ意味と考えてもいいのですが、境界線に塀を作る以上のこと、 敷地内をトータルコーディネイトするような設計をする場合は外構ではなく畏怖の念をこめてエクステリアと言うケースが増えています。 それだけ住宅の外構に気を使う家庭が増えてきたということで、建売住宅ではあまりいじれない部分ですが 注文住宅ならかなり自由な設計で独創的な空間を演出することも可能な外構は、そこに住まう人の生活も豊かなものにしてくれるかもしれないので これからの時代、もっと活用しようとする住宅もたくさん建てられていくと予想されています。 建物の中の部屋が外から見えないように隠す、生活する姿を見えないようにしていた外構は現代社会では新たな役目も与えられているのです。 そしてそのニーズに応えられるよう、工務店も進化することを余儀なくされています。 今まではブロック塀を敷地の境界線に建造するだけでよかったのですが、それでは満足してくれないお客さんが様々な要望を 投げかけてくるようになりました。 機能性は備えたままデザイン性をよくしたい、コストはあまりかけられないけど防犯に優れた外構を実現してほしい、 お庭を快適な空間にするため凝ったオブジェを飾ってみたい、など工務店に持ち込まれる注文は年々難易度も上がっています。 その要望を受け止めて実現させられるよう、今まで以上に専門的な知識と経験、テクニックが施工する者に求められるようになってきました。 そしてそれに応じられない工務店は淘汰されていくのも時代の流れでしょう。 外構を得意にしていた業者でも現代の顧客を満足させる仕事ができなければ、次第に仕事を失っていきます。 エクステリアに対応出来ない業者は消えていき、新しい時代に産まれた業者と入れ替わっていくのです。 他の業種にも言えることですが時代の流れに適応できないままでは生存競争に敗れて店じまいをするしかありません。 なので最近は外構工事を請負う業者もエクステリアという言葉をよく用いますが、決して昔ながらのブロック塀は扱わないわけでもないのです。